星空保護区とは

光害のない、暗い自然の夜空を保護・保存するための優れた取り組みを称える制度

ダークスカイ・インターナショナルが2001年に始めた「ダークスカイプレイス・プログラム」(和名:星空保護区認定制度)は、光害の影響のない、暗い自然の夜空を保護・保存するための優れた取り組みを称える制度です。認定には、屋外照明に関する厳格な基準や、地域における光害に関する教育啓発活動などが求められます。そしてそれらは、自治体・観光業界・産業界・地域住民など多くの人々の理解と努力によって支えられます。

また、認定の公表により、夜空保護の重要性、光害問題の現状と対策について、広く啓蒙することを目的としています。

ダークスカイプレイス・プログラムは2015年4月、全米環境専門家協会NAEP (National Association of Environmental Professionals) から「National Environmental Excellence Award」を授与されました。

「星空保護区®」は一般社団法人星空保護推進機構(DPA)の登録商標です。


ダークスカイ・インターナショナル

世界の天文学者・環境学者らを中心に光害問題に取り組む世界最大のNPO団体です。1988年に設立され、米国アリゾナ州にある本部と、世界24ヵ国70支部以上を有します。
DarkSky International

ダークスカイ・ジャパン
日本唯一の支部として、国内の光害問題に取り組む任意団体です。環境分野・照明分野・天文分野など様々な専門家が連携・協力して活動しています。
ダークスカイ・ジャパン

星空保護区のカテゴリー

現在5つのカテゴリーがあります。全てのカテゴリーの認定地を総称して、日本では「星空保護区®」と表記しています。

ダークスカイ・コミュニティ (International Dark Sky Communities)

ダークスカイ・コミュニティは、町や市といった自治体単位が対象です。屋外照明に関する包括的な条例や政策を策定・施行し、公共照明および民間照明の光害の抑制に取り組むとともに、光害や夜間環境の重要性に関する継続的な教育・啓発活動を実施している地域です。また、地域住民や事業者の広範な支持を得ながら、質の高い照明の導入や更新を進めることで、持続的に良好な夜間環境を維持し、他地域の模範となることが求められます。

ダークスカイ・パーク (International Dark Sky Parks)

ダークスカイ・パークは、自然公園・エコパーク・保護地域など、法的に保護された場所が対象です。公有地・私有地を問いません。夜空の明るさが 21.2 mag/arcsec² 以上という基準を満たす優れた星空環境を有し、天の川が明瞭に観察できるレベルの暗さが維持されているとともに、照明管理計画に基づく適切な屋外照明の改善および管理が求められます。また、夜間の一般利用が可能であり、星空観察や自然観察、光害に関する教育・普及プログラムを通じて、来訪者に夜間環境の価値を伝える役割を担う場所です。

ダークスカイ・リザーブ (International Dark Sky Reserves)

ダークスカイ・リザーブは、700平方キロメートル以上の広域にわたる地域を対象とし、特に暗い夜空を有する「コア領域」と、その周囲で光害の影響を抑制する「周辺領域(バッファー領域)」から構成されます。コア領域では優れた星空環境と夜間アクセスが確保され、周辺領域を含めた広域的な照明管理や政策導入により、複数の自治体や土地所有者が連携して長期的に暗い夜空を維持・改善する取り組みが求められます。

ダークスカイ・サンクチュアリ (International Dark Sky Sanctuaries)

ダークスカイ・サンクチュアリは、周囲に人工光の影響がほとんどない極めて隔絶された地域で、地球上でも最も暗い夜空環境を有する場所が対象です。夜空の明るさが通常 21.5 mag/arcsec² 以上という非常に高い基準を満たし、地平線付近にも顕著な光のドームが存在しないことが求められます。科学的・自然的・文化的価値の高いこれらの場所は、外部からの影響に対して脆弱であるため、厳格な照明管理と長期的な保全体制のもとで保護されます。地理的条件から大規模な利用や教育活動は限定される場合もありますが、その希少性と価値を広く伝え、保全を促進することが目的とされています。

アーバン・ナイトスカイプレイス (Urban Night Sky Places)

アーバン・ナイトスカイプレイスは、都市部またはその近郊に位置し、周囲に人工光が存在する環境下にありながらも、光害の影響を地形条件や設計、適切な照明管理によって軽減し、夜空体験を積極的に促進するよう計画・設計された場所が対象です。天文台・星空観察サイト・星空体験プログラムが実施されている都市公園などが該当し、極めて暗い空を前提とはしないものの、質の高い照明の実践例としての役割を果たし、来訪者への解説や教育活動を通じて、都市における夜間環境の価値と光害対策の重要性を伝える拠点となることが求められます。